今回は「花と竜(1962)」、東映作品ばかり続いた中の久しぶりの日活作品。
原作者・火野葦平の父母の実話をモデルに、時代は明治終わり、北九州の雑多で欲望渦巻く港湾労働者たちの世界を描く。
主人公の荷揚げ労働者夫婦に石原裕次郎、浅丘ルリ子。七曲署のボスも30歳前には刺青を背負って、任侠映画の主役を勤めていた時代があったというわけ・・・か。
一方、現在は「やすらぎの郷」の入居者になっている(こらこら!)の浅丘ルリ子は、20代の愛らしさ全開ながらも、薄めナチュラルメイクで勝ち気な女房役を演じている。
切った張ったが当然あるのだが、死人が出ない任侠?文芸作品。
この3年後には、全く同じ原作で東映版が公開されている。主演は中村錦之助と佐久間良子。さて当時は、どちらに軍配が上がったものか。
映画は、一旗揚げようと門司港へやってきた裕次郎演じる金五郎が、しょっぱな、賭場でスッカラカンになってしまうところから始まる。 |