石原裕次郎の褌1

BOSS褌(ボス・フン)

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石原裕次郎の褌2今回は「花と竜(1962)」、東映作品ばかり続いた中の久しぶりの日活作品。

原作者・火野葦平の父母の実話をモデルに、時代は明治終わり、北九州の雑多で欲望渦巻く港湾労働者たちの世界を描く。

主人公の荷揚げ労働者夫婦に石原裕次郎、浅丘ルリ子。七曲署のボスも30歳前には刺青を背負って、任侠映画の主役を勤めていた時代があったというわけ・・・か。

一方、現在は「やすらぎの郷」の入居者になっている(こらこら!)の浅丘ルリ子は、20代の愛らしさ全開ながらも、薄めナチュラルメイクで勝ち気な女房役を演じている。

切った張ったが当然あるのだが、死人が出ない任侠?文芸作品。

この3年後には、全く同じ原作で東映版が公開されている。主演は中村錦之助と佐久間良子。さて当時は、どちらに軍配が上がったものか。

 

映画は、一旗揚げようと門司港へやってきた裕次郎演じる金五郎が、しょっぱな、賭場でスッカラカンになってしまうところから始まる。

石原裕次郎の褌3身ぐるみはがれて、褌一丁になった彼が井戸で水を浴びている。
石原裕次郎の褌4若く逞しい彼に一目惚れした、壷振りのお京。

「逞しくって、きめが細かくって、きれいな肌だわ」

二の腕に牡丹に蝶の刺青を入れていた彼女は、金五郎の干支である竜の刺青を彼に施したいと懇願するのだった。

石原裕次郎の褌5当世流行りのブラジル行きの野心をもっていた彼は、破天荒な絵空事でうそぶくが、お京は「彫り物、あきらめないわよ」と言い残して去る。
石原裕次郎の褌6そこへ、警察の手入れが・・・。

ばらばらと賭場の連中が捕まる中を、褌一丁で悠々と立ち去る金五郎。

葉山良二1お次は、港湾仲仕の場面。

葉山良二演じる新之助

葉山良二は東映でも任侠系でおおいに活躍したが、もともとはミスター平凡グランプリの日活スター。

映画産業の斜陽化に伴って、テレビドラマにも出演、さらに悪役路線に転向してからは徐々に太って貫禄を増し、ヤクザの親分も演じるようになる。

清涼飲料水の広告塔や、女性週刊誌の「結婚記事」の常連でもあった甘い2枚目俳優だったが、晩年に至るまでの資料が極端に少なく、その後の彼の映画人生を伺い知ることはできない。60歳で早世したのは実に惜しい限り。

熟年後も映画、テレビで重厚な役者に成り得たはず。

視聴可能なメディア
花と竜DVD[DVD]:
[レーベル]:Happinet
[発売日]:2013年01月08日
[価格]:廃盤(探せばまだ安価で新品が手に入ります。)
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