今回は「緋牡丹博徒 お命戴きます」。
この映画、一連のシリーズとは若干毛色が変わっている。
まずこの導入部。前半賭場のクライマックスまで主題歌も流れず、スタッフロールも静かに現れては消えていく。
キャストはお決まりの大御所揃いなのだが、展開も独特で、ちょっとの顔見せのみか、さっさと死んでしまうかで、結果「緋牡丹お竜」一人の活躍に絞られていき、そのため非常にストーリーは分かりやすい。
『親父導画』なのに恐縮だけれども、お竜の美しさはシリーズダントツなのでは無いかと思う。男の助けを借りずに丁々発止、髪半分を乱しながらの流し目など、ぞくっとさせられるシーンは多い。
しかもこの映画は余分な登場人物や殺しや回りくどい説明も無いのだ。なにしろ主役を張っていたあの方が最初の内に死んでしまうが、いつもは死んでいるはずの待田京介も死なない。
だからカットカットの見せ方でそこに至るまでの答えや今後を予感させる秀逸な出来。 |