玉を抜かれた瞬間の老中

老中、玉を抜かれる

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山田風太郎原作のシリーズ「くノ一化粧」。東京オリンピックの年に作られたものだけあって、時代を先取りした東映お色気路線。

レビュウのような書割を背景に使ったシュールさと現代音楽を三味線でBGMに入れるような凝った作風も相まって、とにかく笑える。

現代版の「くノ一」 シリーズ同様に、愚かで助平な男どもが「くノ一」妖術で次々倒されていく様がかえって心地よい。美人ぞろいの「くノ一」の一方で、それに対する男たちもす ごい!

「太陽にほえろ!」の山さんこと露口茂をはじめ、「はだかの大将」雁之助、「水戸黄門」西村晃(若いときは本当に悪役ばっかり)、 「よし、わかった!」でお馴染の加藤武に脇中昭夫(仮面ライダー「ゼネラルモンスター」こと堀田眞三の旧名)、そして名ラジオパーソナリティだった小沢昭一。

ここでは身体を張った「くノ一」に対抗する、あられもない格好の男衆と、その恥ずかしい顛末にスポットを当てようと思う。

松平伊豆守役の原田甲子郎。忍びの服部半助を使い由井正雪の幕府転覆の陰謀を阻止しようとしている。
伊豆守、この年老いた半助(多々良純)をことあるごとに「老いているのだから」とイビる。その度に渋面をつくる半助が面白い。
しかも老中、腕が毛深い。
「くノ一」達が胎内に収めたという財宝の在処を示した六個の鈴を手に入れるよう、一癖も二癖もある忍者どもに命じるのだが・・・。
芦屋雁之助演じる鞭馬さても、ここで雁之助演じる「鞭馬」が登場。(先行き不安。過去記事「サオ師VSタコツボ芸者」を参照してね。)

余談だが、つけボクロがあると弟小雁さんに似てる。

鵜飼いを殺害し、顔を砂浜に押しつけ顔型を取っている鞭馬。これで鵜飼いにまんまと化けるわけ(笑)。

それにしても濃い腕毛だ。

正体を見破られるも、逆に「くノ一」に化けて難を逃れた鞭馬は、味方の扇千代と会う。女装しているだけに弁天小僧ポーズである。このあとあっけなく「くノ一」に破れてしまう。
分かりづらいが、加藤武演じる忍者が意識を失った「くノ一」をお姫様だっこしたところ。
が、支えきれずにドテン!

で、ここからは白褌シリーズ。

なぜか色っぽい音楽にのせて、シナをつけながら、尻っぱしょりをする加藤武。(あの強面なんだから結構笑えるでしょ?)
いただきまーす!

「くノ一」あわや!

折からの風にひるがえる白褌。なんとも秀逸なカットである。
コトは済ませたものの、密かに妖術にかかっていた彼、目の見えぬ味方忍者を「くノ一」と見誤り、返り討ちに合う。
他の忍者がどのように「くノ一」に破れたかは割愛(笑)。

とうとう「くノ一」軍団に道中を阻まれてしまう老中松平伊豆守。

「くノ一」にとどめを刺されたかと思いきや・・・。(合わせにのぞく胸毛に注目)
駆けつけた服部半助に「金玉を取られた」と告げる。思わず自分の股間に手を充てる半助。
ラスト、遊女に股間を蹴りあげられる半助。痛さに飛び上がる。
くノ一化粧DVD[DVD]:DSTD03617
[レーベル]:TOEI VIDEO
[発売日]:2013年01月21日
[定価]:¥4,860

 

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