「玉割り人ゆき 西の廓夕月楼」から坂口徹。
「親父」と呼ぶ年齢ではないが、濡れ場で見せる毛深い太股に注目。 |
「赤影」役で有名だが、以後は芸名を変え、様々な職に就き不遇な晩年を余儀なくされていたそう。
しかしながら、この作品では、往年の二枚目俳優が茶を濁していたようなポルノとは明らかに異なり、鬼気迫る濡れ場を演じている。
低予算で作られた作品だったようだが、物語や演出・音楽ではダントツ。何よりエロティックな場面は随一と思う。 |
まずはその濡れ場シーン。坂口演じる夕月楼の主、清次郎が初夏の墓地の草むらで、ゆきと身体を合わせる。 |
荒々しい行為の中で、何故か清次郎の毛深い太股ばかり大写しになる。 |
惚れた女と寝ても、清次郎の表情には常に影がつきまとう。それは流し唄謡いのお俊の存在。 |
再びゆきとの激しい性交。ここでもひたすら清次郎にカメラが向く。 |
青々とした髭のそりあとに漂う男臭さ。 |
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ほとんど格闘技のようである。 |
ついに、ゆきの方にも火がつき、逆に組み敷かれる。 |
一方、清次郎の妹美代は、恋仲の軍人と。 |
金魚鉢モザイク、斬新! |
扇風機モザイク、感服! |
軍刀を抱く美代と口ひげの軍人。兄を案じて軍人(成瀬正、若いながらも渋さ全開)に何事かを言い含める。 |
清次郎の心に「影」をさす存在だったお俊を暴行する軍人達。卑劣な軍人どもの六尺褌姿。 |
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お俊と別れ、晴れてゆきと結ばれることになった清次郎。真っ白な六尺姿で。 |
あたかも新婚初夜の夫婦のように着せかける。 |
(昭和初期の日常風景だったね) |
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またも太股のアップ。直前に別れ話のもつれからお俊につけられた傷が生々しく光っている。 |
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遊女に身を落としたお俊の事を聞き、一度は別れたはずなのに、またもお俊を訪ね来てしまう清次郎。 |
お俊が斬りつけた傷。まるで消えることのない清次郎の罪過のよう。 |
お俊、口を這わす。濡れ場シーンで強調されてきた、清次郎の太股がまさに二人の腐れ縁の象徴だったわけだ。 |
激しく愛し合った後で、二人は結局心中を遂げてしまうのだった。 |
さて、もう一人の主役とも言うべき、伊藤晴雨の登場。この人物がこの物語の狂言回し、かつ最大の魅力でもある。(続きは次回に) |