尻っぱしょり

伊藤晴雨の尻っぱしょり

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「玉割り人ゆき 西の廓夕月楼」から前回の続き。

伊藤晴雨役の長島隆一。昭和初期はまだ尻をはしょって、こんな褌チラ状態で歩いていたことだろう。

この長島、1950年代から60年代には映画の出演履歴は多いものの、1980年の作品を最後に出演が途絶えてしまっている。

WEBを見渡しても詳しいプロフィールが見当たらないが、この先の場面を追って見ていただければ分かるように、表情の機微や凄味も表現できる役者と思う。

まずは、玉割り人のゆきとの邂逅シーン。千鳥足で川端をふらふらしながら、自らの唄に合わせて卑猥な所作。
股間のかゆみに顔をしかめる。
股間をまさぐり、
そこに巣食っていた虱を見つけて・・・。
しみじみと見つめる。
川面に股間を浸す。
一陣の風で、懐に入れた自筆の「責め絵」が飛ばされて、
あわてて追う。
場は変わって、酒場のシーン。ゆきとお俊も居合わせての語りの合間に、何かを逡巡しながら猪口を舐める。
ふと目をあげる。その鋭い眼光。
清次郎とゆきの束の間の祝宴に顔を出す。これが二人の幸せをかき消す暗雲となるとは・・・。
ラストシーン。ゆきと再び同じ場所ですれ違う。またも股間から虱をつかまえて。
ゆきに「悪魔」と罵られてふと見せる険しい横顔。
次の土地を目指して旅立つゆきと晴雨の背中に陽炎が立つ。
西の廓夕月楼DVD[DVD]:DUTD-03213
[レーベル]:TOEI VIDEO
[発売日]:2013年06月01日
[定価]:¥3,024

 

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