「やくざ観音・情女(いろ)仁義」日活名作ロマンシリーズ。
暗くシュールな設定に、鳥取民謡からフォークソングまでBGMとして流れるという、アングラ色あふれる作品。
若い頃の岡崎二朗が、女犯と喧嘩と果ては殺人に至るまで、身を落としていく僧侶を演じている。ストーリーも単純、ヒロインの棒読みセリフと、突如現れるモノリスみたいな「映倫への配慮」を除けば、そこそこ面白い。なにより当時からも渋さ全開、岡崎二朗の赤フン姿。
では、本題。
松山照夫演じる雲水が川で魚を釣っていると、女の土左衛門がかかってしまう。
川に飛び込み、引き上げる・・・。 |
彼は経を唱えるが、女の異様に膨らんだ腹が何やらおかしい。
どうやら飲み込んだ川の水ばかりではなさそうだ。 |
赤子が生まれ出てくる様子。 |
雲水はこの世に生まれ出ることないよう言い聞かせるが、それも徒労に終わる。
仕方なく赤子を取り上げ、近くの寺へ預けるのだった。
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やがて清玄という青年僧に育った彼は、藤原一家というやくざから命を救った女の誘惑で、生まれてはじめて「女」を知ってからというもの、かの女が忘れられず、僧侶の路を踏み外していく。
女が自分の異母妹であることを知った上で。
この清玄演じるのが、岡崎二朗。
やがて寺を出て、刺青を入れ、徐々にやくざの道に踏み入れていくのだ。
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たまたま転がり込んだ先の女と。
しっかり締め込まれた紅い褌。
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増えた刺青に気づき、痛々しそうになぞる女。
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だが、もう背中一杯に観音様が彫られはじめている。
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彫り師宅で。
いよいよ完成も目の前というところに、やくざの藤原銀三一家が割り込んでくる。
清玄、身をおこして・・・順を譲る気がない、と伝える。
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いきり立つ若い衆。
奥に鎮座するは、藤原銀三演じる高橋明(この役者さんもこの時代、エロス路線に出ずっぱりでしたなー)
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立ち上がる清玄。
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さながら三島剛の絵のようだ。 |
藤原銀三は清玄をうまく取り込み、邪魔な存在だった清玄の実父を殺すように仕込む。 |
ことが全てうまく運び、芸者遊びに耽る銀三。
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清玄もその乾きを癒すことができず、ひたすら芸者相手に・・・。
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嫌がる芸者を無視して、無理やり結髪をほどいて、ことに及ぶ。 |
一方、銀三は清玄の妹を薬漬けにして関係を続けていた。
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己れの股間に誘う。
はい、出ました。意味不明な横モノリス!
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横モノリスのおかげで、なにやらよく分かりませんが、それでも高橋明の毛深い太股だけは拝めました。
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清玄の妹は、最早銀三の性の奴隷となってしまっているが、その最中に清玄が入ってくるのを見て、我にかえる。
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銀三も振り返り・・・。
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妹、あろうことか開き直って、清玄に出て行くように諭す。
この妹、元来の好色さの設定と演者のヘタさ故か、無表情なただの「人形」と化している。清玄が彼女を追い求める説得力は微塵もないのだが・・・。
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銀三は、いつのまにか持っていたピストルを抜き・・・。
さて、このあとはなんだか分からない、アングラ式展開で急速に映画は終わりを告げる。
ストーリーも説法?も考えず、清玄に倣ってエロスに浸るのが正解かと。
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